こんにちは。外構・エクステリアのプロのエクスプランです。
今回はエクステリア商品で最も人気があると言っても良いくらい売れている「カーポート」についての解説です。
戸建て住宅には多くの場合、駐車場があると思いますのでカーポートのこと、しっかりお伝えしていきたいと思います。
それでは解説スタート!
目次
まず言葉の整理をしておきますね。
カーポートを日本語にすると「簡易車庫」です。
簡易車庫と似た言葉で「車庫」があるじゃないですか。
車庫とはガレージのことです。
何がどう違うのかはこれから説明していきますが、言葉の対応としては
- カーポート→簡易車庫
- ガレージ→車庫
です。
はい、それではカーポートとガレージは何が違うのか?
それは
- カーポート→基本的な形は柱と屋根だけ
- ガレージ→四方が囲われている(前面はシャッター)
という違いです。
写真で見ると一目瞭然です!


日本語の「簡易車庫」と「車庫」との言葉の違いの通り、カーポートは簡易車庫なので柱と屋根だけの構造なんですよね。ガレージと比較すると簡易的な物。
オプションでサイドパネルを取り付けることはできます。

見た目でも分かると思いますが、金額はカーポートよりガレージの方が圧倒的に高くなります。
カーポートを取り付けるとどのような効果があるのか。
メリットがあればデメリットもありますので、まとめていきます。
- 雨の日の車の乗り降りで濡れなくなる
- 直射日光から車のボディを守る
- 車内温度の上昇を抑える
- 雪や霜から車を守る
- 飛来物や鳥の糞から車を守る
- かっこいいカーポートで住宅全体の外観が良くなる
- 柱の大きさ分、駐車場が狭くなる
- 意外と雨で車が濡れる
- 雨がカーポートの屋根に当たってうるさい
- 暗くなってしまった
- 自然災害による破損の可能性
- ありきたりなデザイン
カーポートのメリット・デメリットを6個ずつ挙げてみました。
これらについては詳しく別記事で書くようにします。
この記事ではあくまでカーポート全体の概要をお伝えしていくので、記事が完成したらリンクを貼っておきますね。
カーポートの種類、デザインと言ってもいいですが、本当にたくさんの種類があります。
一般的には1台用〜4台用までの商品があります。
車の駐車台数によってもデザインは大きく変わってきます。
まずはカテゴリ分けをしていきます。
カーポートと聞くと恐らく多くの人が思い描くであろうデザイン。
こんなデザインです。

屋根の形がアール形状のR型、直線形状のF型など選択肢がたくさんあります!
昔からあるカーポートなのでデザインやサイズ、カラーなどのバリエーションが多いのが特徴です。
金額も他の種類のカーポートと比較すると安いことがほとんどです。
風にも雪にも強い、カーポートの中では最強の強度を持っています。

積雪地域用かな?と思うかもしれませんが、九州から北海道まで全国的に人気の高い商品です。
積雪だけでなく台風が多い地域でも好んで取り付けられています。
(地域性がかなりありますが、鹿児島は桜島から火山灰が飛んでくるので、このスチール折板タイプのカーポートが結構出ます)
屋根は金属製なので完全に遮光です。屋根の下は日陰になります。
このような感じで一部採光を入れることも出来ます。

2022年5月現在、アルミ屋根のカーポートはLIXIL(リクシル)のカーポートSCのみだと思います。

発売当初から人気がありましたが、実際に建っている写真が出回り始めてからさらに人気が高まり「一般的なカーポートと比べると2倍以上する金額なのにかなり売れている」状況が続いています。
カーポートをおしゃれに、かっこよくしたい!という思いにばっちりハマった商品だと思います。
カーポートSCが登場する前から存在する、高級路線のカーポートたち。

売れることは少ないですが、↑このようなカーポートもあります。ちなみにこのカーポートはリクシルの「アーキフィールド」という商品です。
それぞれのカーポートには各メーカーで設定している強度があります。
耐風圧強度と耐積雪強度です。
これらは言葉の通り、風と雪に対する強度を表しています。
そのカーポートがどれくらいの風に耐えられるかを示した数値です。
一般的に耐風圧強度は
- 34m/s
- 38m/s
- 42m/s
- 46m/s
の区分けがあります。
2022年5月現在、一つの基準になるのは耐風圧強度38m/sだと思います。
この商品が一番多いですね。
ただ、38m/sが一般的になってから軽く10年以上は経ちます。
現在は42m/sの商品も多く出てきており、さほど遠くない未来に42m/sがデファクトスタンダードになっていく可能性は高いと思います。
そのカーポートがどのくらいの積雪に耐えられるかを示した数値です。
一般的に耐積雪強度は
- 20cm
- 30cm
- 50cm
- 100cm
- 150cm
- 200cm
の区分けがあります。
この耐積雪強度には注意点があります。「新雪で◯◯cm」という表記になっています。
雪は水分を含むと重くなります。
水分を含んだ100cmと、ふわふわの雪(新雪)の100cmでは、同じ100cmでも重さは全く異なります。
積雪地域にカーポートを建てる際は、市町村が決めている「垂直積雪量」を参考にしてください。
※工事をする業者によっては垂直積雪量以下の強度のカーポートは工事をしない、ということもあります。
ここまでカーポートの基本を説明してきました。
カーポートは大手建材メーカーの3社「LIXIL」「YKK」「三協アルミ」で、日本のほとんどのシェアです。
そのなかでも最大手のLIXILのシェアが最も多いです。
YKKも三協アルミも商品ラインナップは充実していて、特に三協アルミは独特のデザイン性が高いカーポートが多いですね。
今回はシェアが多いリクシルの人気、売れ筋カーポートを紹介します。
リクシルで最も売れているスタンダードなカーポートです。
デザインは従来からあるよく見るタイプです。

強度は
- 耐積雪強度20cm(オプションで30cmまで上げられる)
- 耐風圧強度38m/s(片流れタイプのみオプションで46m/sまで上げられる)
です。
カラーやバリエーションは豊富なので積雪地域でない場合で、風に対する一般的な強度を持っていてデザインにもこだわりはないならまず選択肢に挙がるカーポートです。
見た目はネスカとほぼ同じです。専門家でないと見分けはつきません(笑)
でもネスカより強度が高いのがフーゴという商品。

- 耐積雪強度20cm・30cm・50cm(商品によって異なる)
- 耐風圧強度42m/s(片流れタイプのみオプションで46m/sまで上げられる)
です。
一口にフーゴと言っても「フーゴR袖壁」「フーゴF逆勾配」「フーゴR900」「フーゴR3台用」など、フーゴの中にもたくさんの種類があります。
リクシルだけでなくYKKや三協アルミにも同等品はあり、耐風圧強度42m/sが今後のスタンダードになってくると思います。
出荷台数によってしまいますが、台風などの強風で不具合が出たケースはネスカよりフーゴのほうが圧倒的に少ないです。
カーポート本体の素材はほぼすべてのカーポートで「アルミ」です。

これまで紹介したネスカやフーゴの屋根材は「ポリカーボネート」という強度的にはガラスの200倍と言われる所謂プラスチックです。
今までは本体アルミ、屋根材ポリカという組み合わせがカーポート市場のほとんどを占めていたのですが、このカーポートSCで「屋根材も含めてすべてアルミ」の商品が登場しました。
アルミで統一されるのでデザインが洗練され、ビスが見えない工夫もされているのでスッキリ感が非常に高いですね。
金額は一般的なポリカ屋根のカーポートの2倍以上するのに、販売台数はどんどん伸びています。
さすがにネスカよりは売れていないですが「(積極的に)このカーポートにしたい!」という人気ではNo1だと思います。
カーポートの種類をおすすめするのは、実はかなり難しいです。
というか、ブログでは「このカーポートがおすすめですよ!」とはなかなか言えないんです。
理由ですが
- それぞれのカーポートで値段が違いすぎる
- 駐車場のサイズによってはカーポートを建てないほうがよいこともある
- カーポートの設置位置によって室内への日光の入り方が変わることがある
- 地面の勾配(角度)が急な場合、カーポートの高さが足りなくなることがある
- カーポートによってカラー設定が異なる
- 風の抜けやすいところでは強度の高いカーポートにした方がいい
などなど、これでもまだ挙げ足りないですが、みなさんの自宅ならではの事情を把握せずに、カーポートのおすすめはできないんです。。。
せっかくここまで読んでいただいたので「このカーポートで決まり!」とビシッと言いたいところではありますが、、、このような理由で私には言えませんm(_ _)m
今回はカーポートの基本を解説してきました。
初めの方で解説した通り、カーポートは柱と屋根で構成されているシンプルな商品なんですけど、意外と考えることが多いです。
- カーポートが必要ということは車を持っていて
- 車を持っているということは、ほぼ毎日使う方が多い
- つまりカーポートは使用頻度が多い
使用頻度が多いものに関しては、使い勝手が悪いとストレスの原因になります。
カーポートは「周りから見えるエクステリア」でもありますから、見た目も重要です。
少し考えることが多く、逆に迷わせてしまうかもしれませんが、ご自身の状況に合わせてベストなカーポートを選んでくださいね!